協働事例
NPOと企業や行政などの協働事例を掲載しています
みんなで考える空き家の利活用
現状と地域課題
大分県の空き家戸数は97,700戸(平成30年住宅・土地統計調査)に上り、年々深刻化しています。空き家の問題には、所有権や相続、税金や家屋の耐久性など必要な手続きが多岐にわたり、複雑で専門的な知識を必要とすることが多く、自治体と所有者だけでは解決が難しい状況にあります。また、生前・遺品整理やお墓の問題等でお困りのケースや、所有者が県外に居住しており直接広報することが困難なケースも多くあります。
空き家は倒壊、不法侵入、火災等の様々な危険発生の可能性や、周辺住民への迷惑に繋がる恐れがあります。適正な管理や活用推進のために、相談窓口の周知と、空き家所有者や将来的に空き家になってしまいそうな状況にある方へ対策喚起が必要とされます。また個々のケースに対してきめ細かい対応が必要であることから、自治体・民間企業等の連携を促進することが望まれます。
地域課題解決の取組・成果
ホームページ・SNS・リーフレット・空き家ハンドブックの作成・配布などの啓発のほか、空き家に関する相談に常時対応しています。所有権や相続の問題、相続税や固定資産税の疑問、自治体への手続き、建築設計士による住宅の現状チェック、リフォーム費用の相談など、何から始めてどこへ相談したらよいかわからない場合でも、法務・税務・保険・不動産や建築の各専門家によるワンストップ体制でご相談を承っています。また県外開催の大分県人会で県民在住の空き家所有者向けにもPR活動を行っています。
地道な活動の継続により、県内の自治体や団体と企画連携することが増え、空き家対策及び利活用セミナー・相談会の開催が個別相談に繋がっています。
その結果、令和元年度からは、大分県の補助を受け、「大分県空き家相談窓口」を開設しています。県の委託事業として認定を受けたことにより、県下各市町との信頼関係の構築や連携が取りやすくなり、自治体に寄せられる相談に対して窓口への案内と受け入れがスムーズに行える体制ができつつあります。空き家解消と予防のための環境が十分に整っていない状況から大きく前進しました。大分市では、適切な管理をしていただきたい空き家の所有者への通知に「大分県空き家相談窓口」のチラシを入れてもらうことにより、個別相談に繋がっています。
協働による効果
平成30年度より別府市鉄輪の「鉄輪貸間再生プロジェクト」に参画し、リノベーション設計事業に協力しました。
はじめに地域の方から貸間の利活用についてのご相談を受け、別府市で地域ビジネスプロデュースを行っているB-biz LINKとともに様々な業種や専門家によるまちづくり会議「鉄輪妄想会議」に携わり、空き家を地域にとって必要な場所として再生するためのトークセッションを行いました。その結果、平成31年3月に空き家を再生したコワーキングスペース「a side—満寿屋―」が開設されました。
その後も会議に毎月継続して参加しており、令和2年10月にはB-biz LINK主催の「第一回空き家・空き店舗再生セミナー」が鉄輪地区で開催され、今後も定期的な開催を見込んでいます。
「a side—満寿屋―」は、活動拠点の一つとして、空き家の利活用事業の周知や地域の発展に貢献しています。
(取材日R2.12)
(取材日R2.12)
協働相手の情報
- 住所
- 大分県別府市末広町1-3 南部児童館 西棟2F
- 協働相手名
- 一般社団法人 別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK 池田 佳乃子氏
- コメント
- B-biz LINKに、起業や創業に関する空き家の利活用について相談があった際、
空き家サポートおおいたさんと連携させていただいています。
協働によって、今後も地域の産業活性化に繋げていきたいと思っています。