NPO活動
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活動報告:講演会「この生きづらい世界で共に生きるために」
開催日時:2024年9月23日(月・祝) 14:00〜16:00(開場13:30)
会 場:松山市総合コミュニティセンター 3F 大会議室(愛媛県松山市湊町7丁目5)
講 師:こんぺいとう企画 理事長 豆塚エリ
主 旨:当事者としての経験を踏まえた、自殺予防および社会に根付く障害の構造を考える講演
概要
2024年9月23日(月・祝)、松山市総合コミュニティセンターにて、「この生きづらい世界で共に生きるために」をテーマとした講演会が行われました。当日は詩人・エッセイストとして活動するこんぺいとう企画の豆塚エリ理事長を講師としてお招きし、自殺予防や家庭・教育現場における課題についてお話しいただきました。会場には多くの来場者が集まり、熱心に講演に耳を傾ける姿が印象的でした。
講演内容のポイント
当事者としての経験
- 母子家庭で育ち、家庭内での愛情不足や貧困などが重なり、高校時代に自殺未遂を経験したエピソードを語られました。
- 事故の後遺症として頸髄を損傷し重度の障害を負ったが、「身体は生きたがっている」と気づき、生きる方向へ意識が転換されていった体験を紹介。
個人的なことは社会的なこと
- 個人が抱える問題は、社会全体に根付いた構造的な問題と結びついているという考え方を提示。
- 当事者が自身の経験を語り、他者の経験に耳を傾けることで対話が生まれ、理解や共感が広がり、社会の変化へとつながるとのメッセージを伝えました。
大人たちができること
- 子どもたちが安心して過ごせる居場所を増やすことが重要。
- 大人側も多様な価値観を理解し、寛容さを持つ姿勢が大切。
- 親や先生以外にも、専門機関や他の大人へ頼る選択肢を常日頃から子どもに伝えておく必要性を強調。
参加者の声(抜粋)
- 「本当に死にたい人はいないのではないか。他に選択肢がなかっただけ」という言葉が印象に残りました。
- 当事者の私が普段考えていることを代弁してもらえて、「私だけじゃなかった」と安心しました。
- もっと早い段階で「自分のことは自分が決めていい」と思えたら、違う人生を歩めていたかもしれないと感じました。これからは自分で決めて生きていきたいです。
- 「生きることは無意味でいい」という言葉に背中を押されました。
- 迷惑をかけてもいいから生きようと改めて決意しました。
- 立場を振りかざすのではなく、寄り添うことの大切さに気づきました。
感想(参加者 K.O. さんより抜粋)
- 16歳で自殺を図った後に重い障害を負った講師が、どのように死にたい気持ちを乗り越えたのかを知りたくて講演を聴き、著書を読みました。
- 親からの暴言やネグレクト、貧困によって自己肯定感を失い、自殺を図った著者。周囲の寄り添いや障害福祉制度の利用を経て「自分の能力を発揮して生きる自由」や「他者に頼る強さ」を手に入れ、死にたい気持ちが消えるまでになったことに心を打たれました。
事業としてのまとめ
今回の講演では、自殺未遂や重度の障害を抱えながらも、自分の考えで人生を切り開く力を得てきた経験が共有され、参加者には「共に生きる社会」を再考する貴重な機会となりました。家庭環境や社会の構造的な課題など、一人ひとりの問題が社会全体の問題とつながっていることを再認識できた講演であり、子どもだけでなく大人の側が変わっていく意義を強く感じさせる内容でした。
主催者・来場者の皆さま、そして講演を行ってくださった豆塚エリ理事長に深く感謝いたします。
今後も引き続き、講演やイベントを通じて、社会的課題の解決や共生社会の実現に貢献してまいります。
イベントページ: http://www.e-inochi.jp/news/lecture/lecture_20240923
担当・お問い合わせ先
豆塚 エリ
住 所 〒874-0927 大分県 別府市 弓ケ浜町1番28号別府コージェマンション301
電 話 0977-76-8601
FAX 050-3094-6662
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